エーミールと探偵たち

ケストナー第二弾。今回は借りてきて、すぐに読みました。

子どもが逞しいと感じる場面がたくさんあります。

1人で列車に乗って遠くへ出かけること。

トラブルに自分で考えて対処しようとすること。

途中で初めて出会う人たちと、大人でも子どもでも、関係をつくっていくこと。

方法も子どもが行えることで、でもありきたりでなくユニークで、とても楽しいです。

スイミーみたいな方法。痴漢撃退の話もどこかで読んだ気がしますが。

 

子どものとき、こういう子どもの力を最大限に使ったようなお話に惹かれました。

特に、舞台や敵や困難が、日常続きな内容のもの。

題名忘れましたが、子ども探偵の、小さな事件を現実的に解決していく絵本のシリーズが好きでした。有名なシリーズだと思うけど。

ワニワニの絵本も好きでした。お腹すいたとか、お風呂に入りたいとか、そういう日常的なことに自分で取り組んでいく感じが。

ワニワニを好きだなあと思うときに、同時にクレヨンしんちゃんも思い出すのはなぜなのか…

 

エーミールも、教授も面白いですが、グスタフという人物がやっぱり楽しい。

そして、ヒュートヒェンもとてもいい味のキャラクター。

最後におばあさんが、目立たなくてもなすべきことをなした人を、きっちり評価したところも素敵です。

 

飛ぶ教室」もですが、少し説教くさく感じる場面もありました。

普段は、児童書を読んでいてもそんなに気にならないのですが。

懸命に仕事をするお母さん、息子を心配して心を痛めるお母さん像。

母の気持ちをよくよく理解して、心配かけたくなくて、いい子でいようとしたエーミールとか。お母さんにプレゼントしたい気持ちとか。そういう「いい子」なことを、出来事やセリフから感じさせるのではなく、地の文でやたら主張されているから引っかかるのかな。

誰にどう読ませたくて、こんなに主張しているんだろう…と感じてしまいました。

それから、エーミールは少なくとも10歳は超えているのだろうと思いましたが、母への気持ちに恥ずかしさとか、照れ臭さとかが少ないような…

飛ぶ教室」も、クリスマスに家族に、特に母に会えないということに、主人公がとてもショックを受けていました。15歳くらいだったかな。そういうものなのかなあ、と少し不思議に思いました。